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社会を変えるコラム(3)--ロビイングの技術が学べます!

第4章 組織作り(担当:谷隼太)

『組織作り』

アドボカシーによる社会を変えるための政策提言や課題広報を行う際に重要なのが組織作りです。1人で声を上げて変えていく例もゼロではありませんが、ビジョンを共有した仲間とチームで動くからこそ自分にはない視点も見えてきます。また、不得意な部分は補えあえますし、ロビイングを行う上での人脈も共有でき、描いたビジョンも広まっていきます。ここではアドボカシーを行う際の組織作りについて説明します。

ミッションを決める

まずはミッション・目的を定めることが必要です。ロビイングやアドボカシーはあくまで手段であり、どの様な社会を作りたいのか、どのような社会課題を解決したいのか、といったことがミッションになります。

問題として認識していることは何なのか、なぜそれが問題だと思うのか、どのように解決するのか、解決するとどんな未来が待っているのか、など自分の考えや社会の問題点の捉え方を、言葉にまとめていく作業が重要になってくるのです。このミッションが曖昧だと、自分の思いや問題意識を他者に伝える力が弱くなり、組織を作っていく上でも味方となってくれる人を巻き込めない可能性があります。

また社会課題というと自殺対策やLGBTなどマイノリティの問題が思い浮かびますが、社会起業やNPOと異なりマイノリティ支援だけが、ロビイング・アドボカシーの対象となる社会課題ではありません。

例えば投票率が低く、議員の議席も少ない若者や女性の声が政策に反映されずらい問題も社会課題と言え、それらの声を政治に届けるというのも立派なミッションになりえます。法政大学教授の小黒一正氏によると、公共サービスによって国から受ける「受益」と税金や社会保障費など私達が国に支払う「負担」の差が、高齢者と将来世代で約1憶2000万円の差があるという試算を出しました。この大きな世代間格差も上記のことが原因の一つとなっています。

選挙によって異なりますが、近年の選挙は投票率50%前後のものが多く、クレームなどの大きな声や業界団体などの組織の声が反映され、サイレントマジョリティと呼ばれる一般市民の声が政治に届きづらい問題も深刻な社会課題といえます。

任意団体でも良いので団体を作る

何の社会課題を解決したいかを決めた(ミッションを決めた)ら、次はその業界にはどんなステークホルダーがいるか洗い出しを行います。そして、なぜそのような社会課題が起こっているのか原因をヒアリングも含めて調査しましょう。ここまで行うと実際に活動をはじめる上で、団体としての名称が必要になってくるはずです。政治家と会う名刺も「〇〇株式会社の△△さん」の名刺より、「〇〇実現を目指す会や、〇〇検討会議の△△さん」の方が、信頼感や説得力が異なってきます。

ただし新しいことをやる上では、トライアンドエラーで最初想定していたものと異なる活動をする可能性もあります。そのため団体の法人格は、NPO法人、一般社団法人など候補が出てくるとは思うのですが、まずは任意団体ではじめるのが無難でしょう。その上で、団体名は自分の団体のミッションや目的、どんな法改正を目指すかに基づいて決めると良いでしょう。

今後、政治家に会う名刺もどんな活動をするにしても、その名前で行動することになります。

ですので、何を目指しているのか、何をする団体なのかすぐにわかる名称をつけるべきです。

アドボカシーでは、団体よりもその活動やそこにある問題自体に焦点を当ててほしいため、この問題が一目瞭然であるような名称が好ましいのです。

起業か、ボランティア(プロボノ)か

団体を設立したら、団体の性格上最も大事なことを決めていきます。それは活動の資金をどうするかという点です。市民セクターのロビイング・アドボカシーは基本的には収益は上がらないので、ボランティアで行うことになります。

ただしボランティアだけだと持続するかどうかは本人のやる気次第になってしまいます。数か月ならともかく、法改正となると数年かかるものもあります。なので持続可能な活動にするためにも多少の収益を得ることも重要な要素の一つであり、別途収益事業を立ち上げる、もしくはファンドレイジングを行うということも頭に入れておいた方が良いでしょう。収益事業とファンドレイジングを合わせて、生活費の半分程度稼げるようになるだけでも、活動の持続可能性は格段に上がります。

または企業に勤務しながらNPOのボランティアやプロボノとしてロビイストをするのも良いと思います。それは、個人のライフスタイルでやり易いやり方をしてください。

仲間を増やす

最初にもあったように、基本的にはその活動を通じて参加者を増やしたり興味の有る人を増やしたりしていくことによって、無視できないムーブメントを生み出していく、或いは政策提言へ繋げていくというものでした。ここまで団体としての形が出来上がってからは、どんどん活動を広げていくための仲間を増やしていく必要が出てきます。活動をより大きなものにするためには、1人ではなくて多くの人の力が必要になってきます。

また、法律なら弁護士、データ調査なら統計の専門家、HPの作成ならIT専門家など、当事者だけではなくいろいろな専門家やプロボノと一緒に活動していくことも大切です。

ここで重要なことは、直接的に一緒に活動してくれる仲間を増やすだけではなく、自分の活動に共感してくれる間接的に協力してくれる人も増やしていくというものです。こうして、人との繋がりを作って、活動の基盤を強固なものにしていきます。

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